”絶滅” が危惧されている講談師という職業をご存知ですか?
異例の才能を持つ講談師、神田松之丞さんが2017年11月26日(日)の『笑点』に出演!
この神田松之丞さん、講談界の風雲児と呼ばれており、類まれな才能と資質をお持ちです。
若くして、連続物と言われる、
宮本武蔵全17席、
慶安太平記全19席、
村井長庵全12席、
天保水滸伝、
天明白浪伝全、
畔倉重四郎 etc
「端物」と言われる数々の読み物、それらを異例の早さで継承した講談師。
持ちネタの数は10年で130を超え、講談普及の先頭に立つ活躍をしている。出典:http://www.matsunojo.com/
講談師とは何か、神田松之丞さんとは誰なのか、作品にはどんなものがあるのか、ご結婚はされているかなど、まとめてみました。
講談とは?

講談入門 [ 神田 松之丞 ]
まず、講談とは何なのでしょうか?
多くの人にとって、あまり聞きなれない言葉ですね。
講談は、奈良・平安時代にまで起源をさかのぼる、日本の伝統芸能の一つです。
まず、「講談協会オフィシャルウェヴサイト」の説明では、落語と講談の違いについてこう述べられています。
会話で成り立っているもの・・・落語
話を読む芸・・・講談
「話を読む芸」では、今いち何のことか一般人にはわかりずらいですね。
この「話を読む芸」の「読む」というところですが、これは独特の調子をつけて張り扇で釈台を叩きながら話すもののようで、この張り扇でパパンッと叩く音が特徴的なようです。
また、語られる内容は、落語は庶民の話が会話体で披露されるのに対し、講談では歴史物や軍記物が語られるものだそうです。
そこで、思わず琵琶法師のことが思い浮かんだのですが、元々は読み上げられているものを聞いて覚える「耳学問」によって、長い長い間、代々物語が継承されてきた芸なのですね。
膨大な量を耳で聞いて覚えるというのはただただ脱帽ですが、世界を見回しても、長い間伝承されてきた伝統芸能にはそういったものが多いですね。
昔の人の記憶力はどうなっていたのでしょうか、素晴らしいとしか言いようがないです。
講談で読まれる題材
講談で主に読まれる物語のジャンルは、例えば軍談、お家騒動、仇討物、世話物、政談、白浪物、侠客伝、怪談物などで、その中には一般の人でも耳にしたことがある『源平盛衰記』、『鼠小僧』、『四谷怪談』などもあります。
題目を見ているだけでも、とうとうと迫力をもって語られる様子が何だか目に浮かぶようです。
四谷怪談など、聞いたら怖くて夜眠れなくなりそうですが、講談という形であれば、意外とそこに「美」が感じられそうな気がするのが不思議です。
また最近では、こうした古典的な作品だけでなく、現代の社会現象であったり、国際的な事件であったりと、世相を反映した内容が題材として語られることもあるそうです。
もちろん、古典的作品も味があり良さそうですが、多くの大衆を惹きつけるには、より人々が共感しやすい現代的な題材も取り込むことが必要とのことからなのでしょう。
多くの人にとって、より講談という未知のものが少しでも身近に感じられるきっかけとなるのではないでしょうか。
絶滅が危惧されている講談師とは?
講談師とは?
講談師とは、読んで字のごとく、講談を語ることを職業としている人のことです。
上でも触れましたが、日本の伝統芸能の一つとなっています。
講談師になるには?
日本の伝統芸能だけあって、やはり講談師になるには、まずは講談師の師のもとへ弟子入りする必要があるそうです。
また講談師には、厳密な階級があるということです。
一番高い階級から
- 真打
- 二ツ目
- 前座
- 見習い
となり、まずは一番下の見習いから始めます。
神田松之丞さんのブログによると、まず見習いは師匠によって差はあるものの、概ね1ヶ月。
その後、前座が約4年。
次の二ツ目は約10年。
その後にようやく真打へと昇進。
それまでに、トータルで大体14年~15年ほどかかるのだそうです。
いやはや、物づくりの職人さんの世界も修行年数が長いですが、伝統芸能の世界もやはり厳しいんですね・・・。
今では多くの世界で何でも早く結果を出したがる風潮がありますから、こういった師に弟子入りし、長年かけて少しづつ少しづつ学んでいく世界というのは、想像を絶するものがあります。
講談というのは一般的にそれほど広く知られているものではないため、講談師としては、なかなか苦労が多いようです。
神田松之丞さんのブログを読んでいると、講談師側として何を感じながら高座(舞台)にいるのか、どんな苦労があるのかなど、そういった生の声が赤裸々に語られており、読んでいてとても興味深いです。
講談師の苦労
落語とは違ったお客さんの冷たい反応
世間一般に知られている落語とは違い、講談について知っている人はあまり多くありません。
そのために、講談師としては色々苦労が多いようです。
例えば、神田松之丞さんのブログには、こんな内容のものが書かれていました。
ただ講談の開口一番は、落語をやるわけにいかない。当然講談をやる。
ところがこれがきつい。現場にいる人間だからよくわかる。基本的に講談と落語の空気感は全然違う。
ここらへんを理解している人は非常に少ない。寄席の開口一番は非常に大事な役回りで、トップがこけるとお客様はそれを引きずる。寄席のムードを作るのが開口一番である。
落語であれば全然うけてなくても、ムードは最低限作れる。人を笑わせるような楽しい噺をしているからである。
とこらが講談はきつい。まず、落語じゃないのというところからお客様の疑問から始まる。謎を残したまま、あまり面白くない話を本来のサイズでない講談の無理にきった尺でやっていく。しかも拙い前座がである。
引用:https://ameblo.jp/kanda-matunojo/entry-11441425622.html
いやあ、そうなんですね・・・・
「講談と落語の空気感は全然違う」
「落語じゃないのというところからお客様の疑問から始まる」
これは、キツイですね・・・。
その他、他にも詳細に神田松之丞さんが生の声を綴ってくださっていますので、興味のある方は神田さんのブログを覗いてみてください。
講談というものについて全く知らなかった私ですが、思わず引き込まれて読んでしまったほどで、とても興味深いです。
絶滅が危惧されている
もともと、講談というものを知っている人が少ないことに加え、講談師というものを職業にしようと入門する人は極々まれなのだそうです。
一時期、講談会所属の人数は22人にまで減ってしまったそうで、現在では、東京と大阪を合わせ、80人ほどまでに増えてはいるものの、非常に少ない数だと言えます。
また、90年代以降の東京での入門者は女性が増え、現在では男性の講談師で現役の方は神田松之丞さんを含め、2人しかいないということです。
こういったことについてや、なぜ滅びつつある講談師という職業を選んだのかなどについて、神田松之丞さんは今年10月に出版した自叙伝『絶滅危惧職、講談師を生きる』で明かしているそうです。
この自叙伝についての神田さんの動画メッセージは、こちらの動画で見ることができます。
続いて、講談師神田松之丞さんはどんな方なのか、そして講談の作品などについてご紹介します。
神田松之丞さんはどんな方?作品は?結婚は?
プロフィール
神田松之丞さんは、1983年生まれで、現在は34歳。
東京都豊島区出身で、血液型はA型。
経歴
武蔵大学経済学部経営学科卒業。
講談の世界に入ったのは2007年、3代目の神田松鯉(かんだ しょうり)さんに弟子入り。
「神田松之丞」というお名前は、お師匠さんから命名されたものだそう。
2012年には二ツ目に昇進。
その後、2015には「読売杯争奪 激突!二ツ目バトル」で優勝。
2016年には「今夜も落語漬け」3分講談と「真冬の話術」で優勝。
そして2016年には花形演芸大賞銀賞を受賞。
・・・と、さすが異例の才能をお持ちだけあって、活躍ぶりが凄いです。
作品
『新世紀講談大全 神田松之丞』DVD、2015年4月
予告動画はこちらで見られます。
語り口が感情豊かで軽快、迫力がありますね!
家族関係
神田松之丞さんは既にご結婚をされています。
元出版社の方で一般人のため、詳しい情報は公開されていないようです。
笑点つながりという点で、笑点で人気の桂歌丸さんと小遊三さんについても、意外なエピソードなどもご紹介している記事もあります。
【桂歌丸の家族:女傑の祖母に恐妻まで?子供や孫はいる? [ファミリー]】
【笑点の小遊三がイケメン?その魅力は?聖火ランナーと卓球も〔動画あり〕 】
まとめ
神田松之丞さんが笑点に出演されたことをきっかけに、講談師というものについても知ることができました。
”絶滅” が危惧されている講談師という職業ですが、笑点への出演をきっかけに、これから世間にも大いに知られるようになっていくといいですね。
私は神田松之丞さんのブログ内容に特に感銘を受けました。
テレビでも職業の裏話を公開する番組があり、私も好きで見るのですが、自分の知らない職業の裏話ってとても面白いですよね。
外からは全くわからない、内部ならではの苦労話や意外なエピソードなどを知ることができますからね。
神田さんのブログも、講談師の世界について生の声を綴ってくださっていて、これをきっかけに、神田松之丞さんの自叙伝や作品に触れてみたいと思うようになりました。
今後の活躍が楽しみで、応援したいと思います!