2017年11月29日(水)放送の『戦後重大事件の新事実2017~事件発生から○年~』で、今からちょうど10年前に起こった全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)について取り上げられました。
出典:Wikipedia「全日空機高知空港胴体着陸事故」
全日空1603便胴体着陸事件の機長はどのような方だったのでしょうか?
また、胴体着陸というのは、どれほど難しいものなのでしょうか?
そういった疑問に答えるべく、簡潔にまとめてみました。
また、実際の飛行機の胴体着陸を間近で撮影した映像も載せてあります。
全日空1603便胴体着陸事件の機長は誰?
全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)の機長は今里仁さんで、副操縦士は岸野安芳さんです。
今里さんは当時36歳、岸野さんは当時34歳と、お2人とも若かったにも関わらず、無事胴体着陸を成功させました。
この全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)については、他のサイトで詳しい内容が多く書かれているためこちらの記事では省きますが、乗客56名を載せた全日空機の前輪が着陸時に出なくなってしまったものです。
機長の今里さんは熊本県出身。子供の頃からパイロットになるのが夢で、1995年、ANAの関連会社であるエアーセントラルに入社。
全日空1603便胴体着陸事件は、今里さんがパイロットになって13年目に起こったものだったのですね。
昔から成績がよく、またサッカーも得意だったようで、優秀な方だったようです。
また、全日空1603便胴体着陸事件に関しては、専門家や関係者からも素晴らしい対応だったと高く評価されていました。
続いて、胴体着陸の難しさや手順について見てみたいと思います。
飛行機の胴体着陸は難しい?
飛行機の胴体着陸は、乗客はもちろんのこと、見ている人々にとってもハラハラ固唾を呑むものですが、飛行機の操縦技術としてどのくらい難しいものなのでしょうか?
「胴体着陸」というのは、機会の不具合や故障などにより本来使うはずの車輪などが使えず、そのために機体の胴体部分のみで着陸することを指します。
また、一部の車輪が不具合で使えない場合、使える車輪はそのまま使い、その上で胴体の部分を地面に直接着けて着陸する場合も胴体着陸とされるようです。
全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)の場合、後輪は出ていたものの、前輪の部分が出なかったため、上の定義で言うと後者の方にあたりますね。
胴体着陸の手順と注意点
胴体着陸の手順は
(1)着陸時の火事を招かないために出来るだけ燃料を減らす
(2)客室乗務員(CA)が着陸前に乗客を落ち着かせ、心構えを説明
(3)着陸する時はできるだけ主脚をハードランディング(強い衝撃を伴う着陸)させ、速度を落とす
(4)主脚接地後は、機首を落とさずに水平飛行
(5)機首を地面に落とす
出典:http://hideshima-issei.air-nifty.com/blog/2007/03/ana_b13e.html
などがあるそうです。
上の引用文中にある「着陸時の火事を招かないために出来るだけ燃料を減らす」は、着陸時に火花が散るため、それが燃料に引火して大火事となってしまうことを防ぐための対策だそうです。
また、現場にはあらかじめ消防車が待機しています。
それ以外にも非常に注意が必要だとされているのが、胴体着陸をした後の機体の保ち方です。
前輪がないため、進む方向性をコントロールすることが難しく、バランスを崩しやすいためだそうです。
切羽詰った緊急事態でこれらの手順を冷静かつ正確に行うには、優れた操縦スキルだけでなく、どんなときでもパニックにならず冷静に対処できる精神面での強さも問われますね。
パイロットたちは、普段からこういった事故も想定し、それ相応の訓練を積んでいるそうです。
続いて、実際の胴体着陸の映像をご紹介します。
実際の胴体着陸の映像
こちらは、胴体着陸の様子を間近で撮影した動画です。
全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)の映像ではありませんが、ポーランドのワルシャワ空港で起こった胴体着陸の映像です。
前輪も後輪も出ていない、完全な胴体着陸で、しかも間近で撮影されているため、非常に迫力があります。
このパイロットも素晴らしい腕前ですね!
まとめ
全日空1603便胴体着陸事件(全日空機高知空港胴体着陸事故)の機長や副操縦士について、そして飛行機の胴体着陸の手順や難しさについてまとめてみました。
こうして、日々多くの命を預かりながら飛行機を操縦しているパイロットの方々に、とても頭が下がる思いになります。